インターネットの登場やスマートフォンの普及により、なにかと便利な世の中になりましたが、同時に心の病を抱える人も増えています。現在、国民の8人に1人は鬱病を抱えているといわれており、人知れずに苦しんでいる人は少なくありません。鬱病は傍から見てもわかりづらく、本人ですら病気だと気付かずに過ごしていることもある、恐ろしい病気です。体調不良や心の変化を見過ごしてしまえば、気付かぬうちに悪化してしまうこともあるので、定期的に鬱病にかかっていないかチェックしましょう。鬱病か否かを判断するためには、まずは自分の状態をよく観察することが大切です。例えば、どんな人でも気分が落ち込むことはありますが、大抵は一過性のことです。2週間以上という長期間に渡って気分が落ち込んだ状態が続いている場合には、病気である可能性を疑いましょう。また、未来に悲観的になったり、自殺が脳裏を過るようになったりすると心が悲鳴を上げている証拠ですので、目を背けずにきちんと向き合って下さい。鬱病が悪化すれば、心だけでなく体調にも変化をもたらします。最近寝付きが悪くなったと感じる場合や、食欲がない、または過食気味だといった変化がみられるなら、病気でないか早急にチェックしましょう。心療内科や精神科に行けば、すぐに専門医に正確な診断を下してもらえますが、いきなり病院に行くのは不安だという人は、まずは病院の公式ホームページをチェックしてみましょう。どの病院も、心療内科や精神科を設置している場合には、ホームページに簡単なチェックシートを掲載しています。項目を確認して、自分に当てはまるか否かを見るだけですので、ほんの数分で自分の症状が鬱病によるものか判断できます。チェックシートで少しでも鬱病の可能性があるとわかった場合には、早急に専門の医師に相談して下さい。チェックシートの項目はあくまで目安に過ぎず、症状の現れ方には個人差があります。チェックシート上で当てはまらない項目が多かったとしても、鬱病である可能性は完全には捨てきれません。最後は自分自身で心と体の変化に気付かなければならないので、改善できない不調が認められた場合には、一度心療内科や精神科の医師に相談しましょう。専門の医師に診てもらう際には、チェックシートの結果や自分の抱えている問題を伝えると、スムーズに診断が進みます。チェックシートの結果がプリントアウトできるなら、保険証と一緒に持参すると良いでしょう。病院では、抗うつ剤での治療が進められることになりますが、自分が病気であることを認められずに、薬を飲むこと自体が苦痛だと感じる人も少なくありません。しかし、抗うつ剤は即効性があるものではなく、長期間に渡って根気よく飲み続けなければ効果が現れない薬ですので、自分一人で薬を飲み続けることが難しいのであれば、家族に協力を求めましょう。鬱病は、家族や同僚、友人などの身近な人であればあるほど、打ち明けにくい病です。しかし、近年は鬱病に対する見方も変わり、社会全体に理解が進んでいます。また、サポートしようという意識も高まっているので、一人で悩まずに周囲と協力しながら治療しましょう。企業によっては勤務時間を減らしたり、出勤日数を調整したりしてくれるなどの対応を取ってくれることもあるので、信頼できる上司を頼って下さい。