鬱をチェックする方法|自分の身を守るための方策

女の人

こころの風邪には要注意

ドクター

簡易診断で早期発見

鬱病は「こころの風邪」とも呼ばれており、10人に1人が一度はかかる病気です。自分には無縁だろうと考えている人でも、仕事や家庭など様々な場面でストレスを抱える現代人なら誰もが鬱病になる可能性があります。しかし、やる気が出ない、身体が重いなど少し不調を感じても、その日の気分や疲れで済ませてしまい、なかなか自分では鬱病の兆候に気付くことができない場合もあります。朝起きた時の疲労感を残業続きで身体が疲れているだけだと自分で判断しても、実際はそのストレスで身体だけでなく心も疲労していることが精神の病気を引き起こす主な原因となっているのです。不調に気付かず無理をして頑張り続けてしまうと、やがて心や身体に限界が到来し鬱病が重くなってしまいます。悪化させてしまうと日常生活にも支障が出るどころか、思わぬ言動で友人が離れていってしまったり、何も手につかなくなって仕事を失う可能性もあったりします。明らかにおかしいと自分で気付くのは病気がかなり進行した段階です。本来であれば重症化する前に早期に何らかの対処をすることが一番望ましいのですが、少し心が沈むくらいで病院の受診をするのは気が進まないという方は、まずは「簡易抑うつ症状尺度」を使って自己チェックを行ないましょう。この自己チェックはQIDS-Jと呼ばれており、睡眠や食欲、体重、精神運動に関する設問から成り立っています。それぞれの項目に点数をつけ、合計点数を算出することによって重症度を簡易チェックできます。合計点数は0から27点で評価され、6点以上は鬱病の可能性があるので医療機関で相談する必要があります。鬱病に関する知識がないので、難しい質問や専門的な用語はあまり答えられないのではないかと心配になる方もいます。しかし、どれも日常の気分や普段の行動に関する簡単な質問ばかりです。自分の気持ちや行動に正直に答えていくだけなので、気軽にチェックすることもできます。インターネット上でも公開されているので是非やってみましょう。鬱病であるかを判断するために利用される簡易チェックは、世界でも有名な精神科医達によって作られたものとなっています。それにより、現在では世界の様々な場所で利用されているのです。病院を受診する際にはこのチェックが何点だったかを伝えるとスムーズに話が進むようになります。鬱病は周りの環境からのストレスだけでなく、性格的な要因やショックな出来事を引き金として発症する場合もあります。前触れもなく誰でも発症する可能性はあるので、もしかしたらと感じた場合はいつでもチェックをしましょう。この病気は身体の病気とは異なり、暫く睡眠をとれば治る病気ではありません。なかなか自分で回復させることは難しく、治るのに時間もかかる病気なので、症状の重症度に応じて適切な対処をすることが必要です。このようなチェックをすることによって早期に心の疲れを発見することができれば、意識的に休暇をとったり、ストレス発散をしたりするなど、病気に進行する前に何らかの対処をとることができます。病気の予防にもなるので、一度きりではなく定期的にチェックをしてみるのも良い心がけです。そして、病気の傾向があるという結果が出た場合は、一人で悩んで抱え込まないようにしましょう。無理をせず家族や職場の理解や協力を得て、医療機関へ行ってカウンセリングを受けたり、服薬をしたりするなど、速やかに治療を開始することが大切です。